■うまくいえない

高校を卒業し、東京への短大行きを決めていた美帆子には、3歳年下の彼・冬紀がいた。
卒業式の当日美帆子は、冬紀に「ごめんね」という言葉を残し、冬紀の元を去った。
冬紀と別れた美帆子は東京での大学生活を満喫していた。
そんなさなか、原宿で偶然にも冬紀と再会してしまう美帆子。
なんでも冬紀は週末の原宿歩行者天国で仲間達と踊っているのだという。
久しぶりの再会で、美帆子は強がって大人ぶった態度を冬紀に見せ、
自分が行きつけのディスコに思わず冬紀を誘ってしまう。
翌日、それなりに高校生活を楽しんでいるという冬紀の前で美帆子は、
自分は人とのつきあいや大学生活も適当に過ごしていると、冬紀に言った。
別れたはずの美帆子に過去から引きずる思いをぶつける冬紀。
だが、いつも本当にいいたいことが言えずに冬紀を傷つけてしまう美帆子だった。
ある日、美帆子は冬紀をディスコに呼ぶ。
冬紀の前で自分に行為を寄せている青山さんとチークダンスを踊る美帆子。
こんなことしたいはずじゃなかったのに、心にも無い態度でまた冬紀を傷つけてしまう。
でも美帆子は既に気付いていた。ずっとずっと、冬紀のことが大好きだったと。
卒業式の時に出た言葉「ごめんね」だって、本当はそんな事がいいたいわけじゃなかった。
あふれる想いを抱え、冬紀のもとへ走り、自分の素直な気持ちをさらけだす美帆子だった。   -終-