■17の午後

高校2年になったばかりの鳩谷茅(はとやかや)。
クラスのムードメーカー・早谷昭平がある日、昌子と別れた事を知る。
茅は、ひとなつっこい昭平とすぐにクラスで仲良くなった。
昭平の友達、遠藤はいつも担任に目をつけられ、同じように昭平も怒られる姿をたびたび目撃した。
笑顔の絶えない昭平がたまに見せる表情を気にする茅。
だが茅の前ではいつも明るい昭平だった。
茅は片思いの気持ちを悟られないように振舞うが、それでもクラスでひときわ仲の良い二人になった。
茅は昭平に、自分の名前を書かないクリスマスプレゼントを昭平の机にしのばせるが、
昭平は気付かぬまま下校してしまった。
気を利かせた茅の友達が、まだ校内にいた昭平を捕まえ、プレゼントを渡す。
茅の片思いの気持ちが昭平にバレてしまった。
あっというまの1年が過ぎようとし、2年5組のお別れ会の夜、
昭平とクラスが別れてしまうと寂しげに語る茅の肩を抱き、
昭平は「クラスが別れても来いよ。変わらないよ。」と言うのだった。
3年になった茅は、昭平と元彼女だった昌子が同じクラスになった事を知り、
胸騒ぎを感じた。
いつも明るく振舞っていた茅だったが、どこか不安を抱え本当の気持ちがいつも言えなかった。
だが勇気を出して昭平に今の気持ちを言うと、昭平は暖かく応えてくれるのだった。
仲の良い二人の姿を偶然目にした2年の時の担任が、茅に「鳩谷は早谷の彼女なのか」と尋ねる。
心細げな茅の姿はそこには無く、「はい」としっかり答える茅。
二人の笑顔を見て担任は言う。「2年5組はいいクラスになったな」と。   -終-