■待ち人

彼との待ち合わせの時間は既に2時間も過ぎている。
喫茶店を出て道端で時間を持て余す科子。
ふと横に目をやると、餃子の出店が。店員にしつこく餃子をすすめられ困惑する。
翌日、科子は街で餃子売りのあんちゃんに偶然出くわし、買い物につきあうはめに。
「ねえちゃんの彼氏はどんな人?」と聞かれ、思わず科子は強がりを言う。
なんでだか知らないけれど、このあんちゃんの前では何故か自然体でいられる自分に気付く。
楽しい時間が過ぎようとしたとき、科子は自分の彼氏が別の女性と腕を組んで歩いている姿に
ばったり出会ってしまう。
溜めていた気持ちを一気に吐き出し、ののしる言葉を彼氏に浴びせ、科子はその場を去った。
悔しくて悲しくて思わず号泣する科子に、やさしく背中を貸しなぐさめるあんちゃん。
科子は次第にあんちゃんのやさしさに惹かれ始めた。   -終-