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コラム4.
ピリオドの向こう
 ~ホットロードのフューチャーソング by チェッカーズ~






紡木たくファンになるきっかけはいろいろあるけれど、学生のころ「ホットロード」を知るきっかけは本当にいろんな場所にあった。

「別冊マーガレット」を愛読していた流れで読んでいた人もあれば、別マすら読んだこともない、少女漫画にまったく興味の無いクラスの男の子 たちですら回し読みして「ハマった」ホットロード。

クラスの女の子はみんな髪型が和希だった。

当時、春山のステッカーを貼っている原チャリを何度か見かけた。

そして春山や和希、トオルさんや宏子さんがなんだか身近にいるような気がした。



同じ頃、大ブレイクしていたバンドがあった。

「THE CHECKERS(チェッカーズ)」である。

彼らの前髪をたらす独特のヘアースタイル、後ろだけが腰まで長いシャツや、 トレーナーの下からボタンシャツを出すスタイル。

全身チェックのコーディネート。

DCブランド全盛期の中、彼らの愛用していたブランド"45RPM"が流行、 街中の男の子がみんなフミヤだった。彼らの何もかもが流行になった。

彼らはみんな、九州は福岡の出身。

そんな中、ボーカル藤井フミヤの学生時代はやっぱり不良だったようで、 弟でサックス担当の藤井尚之が、

「あの頃のにいちゃんはとっても怖くて一目おかれていた」と当時よく言っていた記憶がある。



「ホットロード」がそんなフミヤの目にとまったきっかけは何だろう?

そしてチェッカーズは「Jim&Janeの伝説」という楽曲をリリースした。

バイクのふかし音からイントロがはじまるこの曲は、 フミヤがホットロードに強く心打たれ、作詞に至ったといわれている。

当時TVなどで本人が話したのを聞いた人もいるようで、 後の彼の自叙伝にも書いてあるという。



「Jim&Janeの伝説」は、

バイク事故で死亡したJimへの哀悼の気持ちを仲間が想う、という設定。

Jimはバイクでガードレールに突進して死亡、運転ミスによるものか、 摘発等に追われた暴走族の逃走の際に起きたものなのかは不明。

一人残された恋人のJaneを仲間の一人が連れ出し、 想い出の高速道路を別れを告げるかのごとく走る。

イントロとラストのフェードアウトで流れるバイクの音。

はたしてそれはかつてのJimのものなのか。

それともJimを想い走る、残された2人のものなのだろうか。



Jim&Janeというからには、この曲の設定は海外である。

だけどホットロード世代の私達にとってはやっぱり春山と和希を想像してしまう。



トオルさんが警察につかまった時、

一人残された宏子さんを気遣い、宏子さんの住むアパートに出没する春山を思い出した。

トオルさんは暴走族の総長を辞め春山に譲った。

もしあの時辞めていなかったら、

トオルさんが事故死したら、

春山はきっと宏子さんを連れ出し走るだろう。



そんな春山も、漫画のラストでは生死をさまよう事故を起こした。

あの時もし本当に春山が死んでいたら・・・

「Jim&Janeの伝説」のごとく、友達のリチャードさんは和希を連れ出し走っていたのかもしれない。

 

ピリオドの向こうはどういう世界なのだろうか。



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歌 詞
 
   






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