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紡木さんがお友達と夢中になった事(全4ページ) 
ひじりまにあ&Recollections共同調査企画)




■1・プロローグ

紡木さんの漫画の随所には、ストーリーとは関係の無いコメントが小さくローマ字で書かれています。(詳細:「message」
これらを見ていると、紡木さんの受験生に対する思いやりやファンへのやさしい気持ちが伝わってきます。

そんなコメントの中で、日本語に置き換えようとしても私には解読不明なものが数ヶ所あります。
そんな中、ある日私はその中の1つのコメントに目を止めました。


ホットロード第1巻。
和希と春山洋志との出会いは、稲村ケ崎のガソリンスタンド。
和希にとってハルヤマの第一印象は最悪だった。
その後和希と春山はファミリーレストランで偶然再会することになる。
和希の母親が和希を誘い、夜ご飯を食べに行ったそのファミレスには、偶然あの春山が友達とたむろっていたのだ。
ハルヤマを見つめる和希。そしてその視線に気付くハルヤマが、「見てんじゃねーよバーカ」と口パクで言うシーン。


その背景に書かれた文字―――。

        
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ホットロード第一巻93ページより
「©紡木たく/集英社 1986.12.21第一刷」



日本語に変換すると・・・

19th , DEC(=12月19日)  in郡山(こおりやま)。
何もいえない。もう、何もいえない。
苦しいくらい、苦しいくらいです。
陽気なサンタさんへ。
私はあなたにどんなX'masプレゼントを贈れるでしょう・・・
ひじりのもみよ 



私はこの数行に釘付けになりました。
誰かへの想いをつづっているその文字は、なんだか寂しく悲しげだったからです。
誰かに伝えたい想いを伝えぬまま、何かに苦しんで悩んでいる、そんな風に感じるこの言葉が気になってしかたがありませんでした。

ここでまた私は興味本位で、この言葉の意味を知りたくなってしまいました。
でも、もしかしたら紡木さんにとっては触れられたくない想いなのかもしれない・・・。
とはいえ、多くの読者の目に触れる場にあえて書いているのだから、もしかして読者にも聞いてもらいたい悩みなのかもしれない。

そんな私の勝手な思い込みはどんどん膨張し、調べてみたいという衝動にかられたのです。



まず。
この言葉から率直にわかる事は1つだけでした。
「 12月19日 in 郡山 」 というところです。
12月19日に福島県の郡山市(こおりやまし)という場所で、紡木さんのこの想いが発生しているらしい。
調べてみると、ホットロードが連載を開始したのは1986年の1月。
という事は、必然的にこのページを執筆している時期を考えれば、1985年12月19日ということになります。

1985年12月19日、紡木さんは郡山にいたことになります。
そしてそこで胸を苦しめる”何か”があったのです。

だけれども、それだけじゃ不可解な点がまだまだ多い・・・。
そして私はある憶測を元に調べをすすめ、それは意外な方向へ進み、思わぬことまで判明することになったのです。


つづく 

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